新そばは指紋が残った!〜十割蕎麦に舌鼓♪    2010年11月02日 

◆初めて取り組んだ自家栽培そばも、いよいよ佳境を迎える日が来た。



さあて、いよいよ新そばの製粉だ!

◆先ずは粗回し
本来は、玄ソバの粒の大きさ別に5種類位に分けてから臼にかけるのだが、この粒選別は現時点では技術的道具的に無理なので、大から小までバラバラな状態だ。
ここでは大きな玄粒を潰すというイメージでの「一番臼」を行う。

◆そうして出来た「大割れ」
小さな粒は割れていないが、中くらい以上の粒は殻が剥けたり粒が割れたりしている。この時点で粒の中心からサラサラの真っ白い粉が出てくる(これが打ち粉になったり更科粉になったりする。)が、それを篩い落として、後で出来る一番粉に混ぜる。
新そば特有のあざやかな薄緑色をしている内皮が見てとれる。これは「甘皮」とも呼ばれ、蕎麦の甘味はこの甘皮に近いところに凝縮しているのだ。
また粘りのあるたんぱく質も、この甘皮に近い粒の外側に多く存在している。

◆二番臼の結果
大割れを再度臼にかけて挽き、外皮(殻)を除去した後40メッシュで篩い、「一番粉」とそれ以外に分ける。
篩い分け作業したら直ぐに袋に入れて水分蒸発を防ぐことも肝心だ。
「それ以外」を3回目の臼に投入。

そこで出来る「二番粉」がそばの味と食感を決定付ける最も大事な粉である。

その2番粉が取れた時点で一握りしてみる。

予想通り(狙っていた通り)きめの細かいシットリとした粉だ。
指の跡どころか、指紋までくっきり残ってるじゃないか。
この時点で、そば粉の水分は約17〜18%と判断した。理想的には15%なんだそうだが、この後の作業諸々でどんどん水分は蒸発していくので、ここはあえて水分多めを狙ったわけだ。

・・がしかし、この水分多めが大きな問題点を浮き彫りにした。
水分が多すぎると臼に粉がへばり付いたり、目(溝)が詰まったりする、という事は知識として持ってはいたのだが、それがついに現実として起こった。
へばり付いても臼が回らないわけではない。
多少重たくは感じても充分回るんだけど、問題は粉がちっとも落ちなくなる。極端に能率が落ちてきた。
へばり付いた粉の上を上臼が回って、下臼との摺り合せが出来なくなってくるのだ。

そうだ、臼の重量が足りない。この臼の最大の弱点がついに露呈した。
一枚15kgではやはり軽かった。今までは比較的水分の抜けた抜き実を主に挽いていたので殆ど感じなかったけど・・。
やっぱりもう一枚重ねて30kgにした方が良いと思った。(実は最初の工程の玄粒を潰す一番臼の段階でも重さが必要だと思ってはいた。)

そんなこんなで、1kgの玄そばを製粉するのに1日掛かりとなってしまった。



半分くらい粉が出来たところで、いよいよ試し打ちだ。時も丁度お昼頃。
記念すべき初めての十割蕎麦を打つのだ。

蕎麦打ちに必要な水の量は、シットリとした新そばだから多くても45%くらいだろうと用意したのに、いざ水回ししていくとどんどん水を吸って、捏ねているうちにだんだん玉が硬くなってひび割れてきので、細かくしてまた水を加える。
はっきりとは計らなかったけど、たぶん50%を超えていただろう。
この不思議な現象の理由はまた後日解明できるだろう。

たたむ時に蕎麦生地が破けて失敗した(十割の難しさはこういう所にもある)けど、なんとかかんとか蕎麦の形にはなり、早速茹でて食してみることに。


食べてみてこの日一番ビックリした。
蕎麦の香りが良いのはもちろんだけれど、それを感じるのを忘れてしまうくらいの食感の良さだ。
十割蕎麦だから「モソモソ、ボクボク」した感じになるかもと思いきや、何とまあ、物凄い腰と弾力があってモチモチのツルツル。

今までで一番美味い蕎麦が出来上がっていたのだ。私が求めていた蕎麦が期せずして自分の目の前にあった。

この美味しさで今までの苦労がいっぺんに吹き飛んだのでありました。
うーむやっぱり良いそば粉を使うと、こうも違うものなのか・・。
ただしかし、打つ技量をもっと上げないと、せっかくのそば粉が勿体無いなあ。
次回は、水回しと延しに充分気をつけて、ちゃんとした麺になるように頑張ろう。



そんなこんなで帰宅すると、注文しておいた新しい33センチの包丁が届いていた。

次回からは新しい包丁で気分一新だ。これで25センチ以上でも楽々切れるぞ!

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