キノコに興味をいだき、ヒラタケ・椎茸・ナメコを作り始めて3年目。今年は新たに、クリタケ・ブナハリタケ・ムキタケを植菌。それに加えて、マイタケの種駒が入手できたので、それにチャレンジしてみた。
下記、はじめてのマイタケ作りに奮闘する、ヤマアスパラ活二の一喜一憂をまとめてみました。


キノコの菌は、大きく「腐生菌」と「菌根菌」に分けられる。マイタケは、ヒラタケやナメコ・椎茸などと同じ腐生菌なのだが、雑菌に弱くホダ木作りは難しいとされている。

最近スーパーでよく見かける「雪国マイタケ」などは、おが屑培地による菌床栽培されたものだ。近年になって、生原木を殺菌してから植菌し、完熟ホダ木にまで培養し、それを土中に埋めて発生させるノウハウが確立してきた。
昨年の暮れ、何気なく覗いたホームセンターに、ナメコや椎茸といった一般的なキノコと並んで、マイタケの種駒が売られていたので、思わず衝動買いをしてしまったのが運のつき(?)。
「マイタケもついに種駒が開発されたのか・・・」という新鮮な驚きと、これなら自分にもマイタケが作れるんじゃないか・・・という甘い期待感が私を襲った。
種駒なら、完熟しているハズ・・・なので、それを殺菌した原木に打ち込んで培養すれば・・・。私の頭の中は、めくるめく想像の世界が広がった。
パッケージの裏面の説明書きを見ても、一般的なことしか書かれていないが、私は手元のキノコ栽培バイブルを参考にして、ダメ元でやってみようと思った。
実は、2年前にオガ菌を購入したのだが、殺菌作業の大変さに閉口して断念していたのだった。
インターネットでいろいろなサイトを廻り、原木栽培のノウハウを勉強してみた。
それによると、ポイントが幾つかあることが解ってきた。
@春先に伐採して、すぐ短木に玉切る。
Aその短木をフィルター付きポリ袋に入れて高温殺菌する。
B一晩冷やした後、植菌して袋に入れたまま培養する。
C完熟ホダ木になったものを、秋に土中に埋め込み、翌年秋に発生を見る。
というようなものだ。
来年はハタケシメジもやってみたいと思っていたので、思い切って加川椎茸さんのHPから「NTキノパック25W」というフィルター付きポリ袋100枚セットを購入。
ナメコやクリタケ他の原木玉切りと植菌作業に手間取り、結局一番最後になってしまったが、4月の20日、約20センチ径のイタヤ(だと思う)を伐採。すぐ枝を払って適当な長さに玉切って、車で忠右ヱ門の庭まで運ぶ。

小雨の中、大急ぎの作業で、写真を写している暇はなし。


殺菌釜としてオイルのペール缶の空いたのを近くのガソリンスタンドから分けてもらい、畑に臨時の焚き火炉を作って、湯を沸かす・・・という目論見は、あいにくの雨風で断念せざるを得なかった。
ではどうするか・・・。



ここからが、田舎の味的オリジナル殺菌作業
前述のように、私が入手したのはオガ菌ではなく駒菌なので、取り扱いはなじみがある。また、菌そのものの活性力や対雑菌性は強いのではないか、という自分の都合の良い判断のもと、翌日は澄んだ青空できれいに晴れ渡ったこともあり、発想の転換で、日光消毒(紫外線殺菌)を試みることにした。
菌類(微生物)は紫外線には極めて弱い。勿論キノコ菌も例外ではないが、その天からの紫外線の力を借りて、原木の表面だけでも殺菌してみようということに。

ビニールシートの上に新聞紙を敷き、そこに原木を置き、時々向きを変えて全面的に日光を当てる。およそ1時間半、この紫外線殺菌をすると、生木とはいえ表面はかなり乾いた。(この間に空中を漂う雑菌がどれだけ付着したかどうかは定かではないが・・・)

勿論、その前に駒穴を開けておいたのは言うまでもないが、「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」のごとく、かなり多めに細かく穴あけした。
断面の上下は勿論、横面にも3〜5センチ間隔くらいに穴あけ。ひとつの原木に40から50個くらい空けて、11個の原木が出来た。
(完全殺菌していれば、この倍の20個は出来ただろう)

駒打ち作業は室内にて行った。手をきれいに洗い、槌と(用意した)当て棒も洗剤できれいに洗う。洗ったあとは一旦外に出て、紫外線乾燥。
こういう時は、手術用のゴム手みたいなのがあると良いなと思った。




手早く駒を打ち、すぐにキノパックに入れてセロテープで折り口を止める。
出来た原木入りキノパックはダンボールに入れて納戸に設置したテーブルの上に置いた。




この納戸は昔
(昭和20年頃まで)、馬を飼っていたところで、現在でも馬屋(マヤ)と読んでいる部屋だ。床は張っておらず土間のままであり、この家の中で最も涼しく、一日の気温の変動が少ないところだ。
昔の農家は、人間様より馬屋牛の方が居心地の良いところに住んでいたのだ。この土間が室内の温度や湿度を自然調整してくれる為、キノコの培養には最適な場所であると判断した。
ダンボールに入れたのは、埃の進入を少しでも避けるのと、暗くする為だ。

さてさてこんな具合で、初めてのマイタケ植菌作業忠右ヱ門バージョンに挑戦してみたが、果たして上手く菌が活着してくれるかどうか。
今後、秋までじっと様子を見ることにしよう。白い菌糸がビッシリとはびこって、完熟ホダ木になるのを夢見て、とりあえず今回のレポートを終了とする。

今後の様子は、又追々に・・・。

<追記>
「キノコの四季」http://www.echigo.ne.jp/~miyagawa/の宮川さんとTelでお話

宮川さんは、キノコに対する造詣が深く、菌友の押田さんとしょっちゅうキノコ採りに出かけ、その様子をHPにて紹介している。又、それをまとめたCDも製作しており、先日(4月16日)旅館エスペロのご主人・佐藤さんが私のところに遊びに来て、そのCDをお土産に下さった。

ちなみに、旅館エスペロさんhttp://www.e-espero.com/index.htmlは、昨年の山菜OFF会の時に、mac3&助手さん、魚菜さんがお世話になった妙高赤倉温泉のお宿である。ご主人の佐藤さんは、釣り好き・山菜好きの行動派。
今度、糸魚川の友達と温泉一泊旅行でお世話になりたいと申し込んだら、快くお受けしてくれた。

早速そのキノコの四季のCDを拝見すると、野生のキノコの写真が素晴らしく綺麗で、またその種類の豊富さなど、彼のキノコフリーク振りがよくわかる。
ざっと見た後、メールで感想を送ると、翌日にはお返事を頂いた。

その後、私がマイタケの種駒を打とうとしていることに興味を持ったそうで、直接お電話を頂いた。マイタケの駒菌があることを知らなかったと、私の植菌作業とその後の行方を心配してくださった。
ご自身も、原木ホダ木つくりをやっており、切株にオガ菌を塗り付けてビニールで覆い成功したとか、培養中のアオカビに気をつけて、とか、いろいろアドバイスしてくれた。

また、私の山アスパラ畑にも関心があるということで、今度見学に出かけたいと・・・。


そんなこんなで、今年の春も、楽しいお友達が増え、これから本格的な山菜、そして山アスパラの旬が始まろうとしている。

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