プロローグPartU

当地、新潟県糸魚川・西頚城(にしくびき)地方では、そもそも昔からキノコを採りに出かけるという習慣があまりない。あるとすれば、裏山の杉林でミミゴケ(スギヒラタケ)を採ったり、菌を植えて作ったナメコを採ったり、せいぜい近くの山でモタセ(ナラタケ・ナラタケモドキ)を採るくらいだ。だからキノコについては殆ど無知な人が多い。私もその一人だ。
それがHPでネット活動をするようになってから、リンク友達のキノコ・フリークぶりに刺激されて、少しずつその方面に引きずり込まれようとしている。

一昨年の秋に、森林公園のテントサイトで偶然にも、名菌と呼ばれるところの「ヤマドリタケモドキ」を見つけた。最初はなんだか判らなかったが、図鑑を紐解くと間違いなくそれであった。こういうのをビギナーズラックと言うんだな。
このラッキーな発見から、私はキノコの魅力に引き込まれていったのだった。

今回のOFF会の楽しみは、初めて見るいろいろなキノコを、その道の先輩方から教えてもらってその美味を堪能する事は勿論だが、4月に骨折した左足首が未だに癒えない私を心配して、温泉湯治プランを用意してくれるらしい、という事が嬉しい。
もっとも、こと温泉については、sonetaさんという“温泉キチガイ”がいるので、私がいなくても必ずどこかの温泉に入るのが、およそ定番になっているようだ。最近は(趣味千山)助手さんも温泉にはまっていて、主(mac3さん)の意に背いて「温泉ルンルン♪」とsonetaさんになびく場面が多い。それにこの夏から仲間に入ったnomo16さんも、独特の「暇人的温泉論」を持っている。

この夏の親不知OFF会でもこんなシーンがあった。「明日はどうするミーティング」の時に温泉行く行かないでモメにモメたのだ。(笑)

それから、9月の第1回目の打ち合わせチャットのときにも、こんなやり取りがあった。

(下から読んでください)
・・・
soneta
>じゃ、それまで平湯と新穂高でミニオフですか、じょしゅさん
助手>活二さん平湯で合流?
soneta>とりあえず前半は平湯ミニミニオフとかかなぁ
活二>ほら、司会が怒ったぞ
mac3>てめえら、勝手なことばかりしゃべくってんじゃねえ!!
助手>多勢に武勢もうひと押しだ
のも>ところでそねさん、どんな温泉が期待できそうですか?
助手>ラベさん・姫さん・インク2さん・おそねさん・のもさん、たくさんいるね温泉組み
姫君>いいな〜〜〜
soneta
>助手さん、平湯で落合おう!!!
のも>がんばる
mac3>地図はメールで送りますよ
インク>車かバスかこれからです
助手>18日は温泉かな?
インク>macさん。地図を教えてよ
活二>みんな言いたい放題だあ・・・司会のmacさんが困ってる

・・・

<新たな出会いの期待>
そして私にとって、今回のOFF会でのもう一つの大きな楽しみは、飛騨古川町でHP「恵比須の郷」をやってる、やまてつさんと出会える事だ。詳しくは本文にて紹介するが、もうネット上では1年以上のお付き合いになるので、やはり実際にお会いして握手を固めたい。
OFF会とは、そういう出会いが出来るのが素晴らしいところだと思う。今回、近くへ行くので・・・とお誘いしたら、快く参加の運びとなった。というか、同い年の私が強引に引き入れたのだが・・・。

<お土産を・・・>
さて、当日は趣味千山に一宿一飯のお世話になる予定なので、何か手土産を持って行きたい。今の時期、山アスパラはないので、何にしようかとあれこれ考えた結果、新潟といえば米どころ、という訳で、実家忠右ヱ門で収獲したばかりの新米を持っていくことにした。

今年は天候不順の冷夏で、収量は少ないが、味は例年並ということだ。例年並といっても、我が忠右ヱ門のコシヒカリは、あのブランド米「魚沼産コシヒカリ」をしのぐ糖度と旨味を誇っているので、手土産にこれ以上のものはないだろう。

それからもう一つ、「鹿肉の燻製」を考えた。この鹿肉は、インクさんが北海道で撃ってきたヤツの冷凍を夏に頂いたものだ。
インクさんは、釣り好き、海好きが高じて千葉金山に別荘を持つほどの、これまたヒマ人ヤンチャ親父だ。そして彼の最大の特徴は、鉄砲撃ちの猟師であることだ。毎年冬になると北海道まで出かけていって鹿を撃ったり熊を撃ったりするらしい。
今までは、山菜やキノコ、岩牡蠣など、ナチュラルな匂いのする仲間達ばかりだったが、この夏のインクさんの登場以来、どうも獣の匂いがしてならない。(笑) mac3さんをして“アウトドアやくざ”の称号がついたのもうなずける。

ただ、私がインクさんに持つ印象は、人なつっこい笑顔がさわやかな、少年の心を持った大人である。
以前に山アスパラの試食申し込みでメールをいただいて、それからのお付き合いで、今年の夏に、親不知に参加してから、その後sonetaさんと釣り遊びをしたり、一風さんの地元にキノコ採りに行ったり、精力的に動き回って、あっという間に打ち解けた。
インクさんは、人を和やかにさせ、OFF会の雰囲気をより楽しいものしてくれた功労者だ。その本領は今回のOFF会でも、存分に発揮することになるのだが・・・そのことはまた本文にて紹介しよう。

10月に入り朝晩だいぶ寒くなってきたので、そろそろ燻製を始めようかと思っていたところだ。
この鹿肉は、独特な癖のある匂いがするが、スモークするとどうなるのか興味あるところだ。
いつものように、酒と塩コショウに漬け込んでおいた。何故涼しくなってからかというと、一度塩出しした後、風に当てて乾かさなければならない。この乾かす時に気温が高いと、腐ってしまうからだ。

とにかく私の燻製テクニック(?)によって、この鹿肉を魅力たっぷり・旨味たっぷりのスモークハムに仕上げよう。そして先ずインクさんに毒見をしてもらうのだ(笑)。彼がどんな顔をするのか想像するだけでワクワクする。
鹿肉なんてはじめて扱うので、どんな味になるのか皆目見当がつかない。赤身だけのその肉はビーフジャーキーみたいな感じになるんだろうか・・・。


<ところが大事件>
10/14、快晴とは言えないが、時折陽が差すまずまずの天気。その鹿肉を燻す時が来た。
肉はコロッとしているので少し高めの温度設定で、ある程度熱を通す事にした。設定といっても、温度計を見ながら、熱くなり過ぎたら戸を開放する原始的なやり方。こういう原始的なのが手作りの良いところだ。

オートマチックは安心感があるが、(味が)画一的になる。その日の空模様と素材の状態を見ながら、“頃按配”を微妙に変えなければならないから、何回やっても同じ味にならない。だから面白い。ノウハウとはそうして身体で覚えるものだ。

今シーズン初めてスモークハウスに火を入れた。桜のチップはよく乾いていてすぐ燃えてしまうので何度も補給した。(次回はもう少し酸素不足になるように調節しよう。)

3時間くらいたっぷり燻した後、小屋から出して少し熱を冷まそうと、ビニールの口を開けたまま玄関横の縁台に、ちょっとのつもりで置いたのがまずかった。
事件はそのすぐ後に起きた。(正確に言うと“起きたらしい”)

燻製と一緒に採れたての椎茸を置いたまま、車に入れ忘れて出発してしまったのだ。途中で気付いて引き返してみると、燻製を入れた袋ごとなくなっていた。
このときの私のショックは何と言い表したらよいものか・・・。とにかく情けなくて悔しくて、腹立たしくて、そして何より、インクさんに申し訳なくて・・・何とお詫びしようか・・・。私の不覚としか言いようがない。

犯人は大方見当が付いている。隣の家のシュン君に違いない。彼は私が燻製をやったり、庭で何かをやっているといつも人なつっこくやってくる猫君だ。前にも鮭を乾かしている時にイタズラされたことがあった。

出したばかりの生暖かい燻製は、シュン君にとって生涯忘れ得ぬ、最高のご馳走だったに違いない。私も少し味見しただけだが、嫌な臭みは殆ど消えて、なかなかイケた。熟成すればお酒の肴にもってこいの珍味になったはずだった。つくづくインクさん、ごめんなさい。

そんなこんなでいよいよ、OFF会当日を迎えたのだった。

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