<2日目>・10月19日(快晴)

<清清しき朝>
私は、泊り勤務明けで殆ど寝てないので、一回まばたきしたらもう朝だった。これほどぐっすり熟睡したのは何年ぶりだろうかと思うほど、泥のように眠った。(山歩きの丁度良い疲れもあって・・・)
趣味千山での目覚めは、すっきりと気持ちよく、清清しい朝を迎えた。
外に出ると庭に生えているコガネタケの前にmacさんがいた。
写真が白っぽくなってしまったが、もう少し黄色い、まさに黄金色という感じ。
趣味千山は、母屋と別棟で工房があったり、茶室があったりして、想像していたより屋敷が広い。
茶室の裏手に、椎茸かヒラタケを作っていたと見られるホダ木があった。
すこし屋敷周りを散歩してみると、近くにイノシシを沢山飼っているところがあった。この山で捕獲されたものなのだろうか・・・。
それと、道路下は崖になっていて、その下に清らかな流れがあった。向こう岸にもログハウスが見え他にも建築中のがあり、別荘地のような感じだ。macさんは、この清流でアユ釣りをする為に、この地を選んだに違いない。

そして一番目をひいたのは、前庭の一等地に山アスパラが植えてあったことだ。この山アスパラは2年前の春に私がお送りしたものだった。
見ると実が紫色になって沢山ついていた。去年も実をつけていたそうなので、来年の春、芽を出せば、忠右ヱ門から嫁に出たうちの娘が、初めて孫を誕生させることになる。

忠右ヱ門と趣味千山が親戚になったような、そんな微笑ましさを感じたのは、我ながら私らしい。


朝食は、助手さんがイカとキノコを使って、「海山スパゲッティ」を作ってくれた。
これもまた、朝から絶品のご馳走だった。


 
この夏のmacさん北海道土産を出してくれた。アザラシ、熊、トドの缶詰。
私も夏に頂いたが、名前からしていかにも北海道らしい。
macさん他皆さん、あんまり味のほうは・・・っていうけど、私は好きなほうだ。
アザラシが一番美味しいね。
 
  
そして、これからブナ林へ向かうという気持ちの高ぶりのうちに飲んだ、コーヒーの熱い香りを、この趣味千山に残して、我々は一路、飛騨のとある高原を目指して、車を連ねたのである。
途中、古川町に入った辺りのドライブインが、あまりにも見晴らしよかったので、そこで記念写真を一枚。
その辺りの山は杉林が多く、私にとっては、どこか懐かしさを感じる風景だ。

ほどなく笹が洞(ささがほら)を通り、41号へ向かう。まさに、やまてつさんの家の前を通過した。無線があれば、全車に対し、
「皆様、左に見えますのが、やまてつさんのご自宅でございます。」と、インフォメーションしてやったのに・・・。
先日のプレゼント企画のメロン農家・阪口さん、トマト農園・向林さんの家も教えてもらった。

抜けるような空の青さのもと、7人の仲間達

<ブナ混生林へ>
41号からそれて林道に入ると間もなく砂利道になった。次第に高度が上がるにつれ、辺りの木々の葉は色着きが濃くなって、やがて時々下界が見下ろせるほどに標高が一気に高くなった。
ブナが多くみれるようになってきた、道路脇の空き地に車を止め、左右を見渡す。

雑木林が小さな川を挟んで両面に広がる。どちらを攻めようか、mac3隊長が偵察の結果、下草が多い方を避け、川の対面に広がる雑木林に向かって、いざ突撃となった。
上部の尾根の方はブナ主体となっているようだ。

空の青さと紅葉のコントラストが美しい
その林は、昨日のナラ林とは全く様相の違う、まさに雑木林で、低木や下草などが多かった。こういうところはうちの山にもあるが、ここではどんなキノコが生えているんだろう。
急な斜面を登ると、ほどなく尾根に出て、斜面に散らばっていた皆が、また落ち合った。
「ないねえ」・・誰ともなく・・・
「ブナハリタケがあるかもしれないぞ」・・とmacさん。(この予言はまさに的中した)

私は反対側には向かわず、尾根下の斜面をトラバースしながら、未熟なキノコ目を精一杯見開いて藪をかき分ける。

突然真っ白な形の良いきのこに出会った。大きさは、高さ10センチくらい、笠の径は6〜7センチ、全体に白っぽく笠の中央部が黄色みを帯びている。
私は咄嗟に、猛毒のシロタマゴテングタケを連想した。(昨日も一つ見つけていたので・・・)


しかしよく見ると、根元にツボが膨らんでいなくてシメジの類のようだ。
(何だろう・・・、まあ、毒なら捨てれば良い、話の種に少し持っていくか・・)ぐらいにしかおもわなかった。
すると、少し離れた場所でも、sonetaさん・インクさんが、それを見つけていたようで、
「活二さん、そこにも白いきのこがある?こっちにも沢山あるけど、これはきっと毒キノコだから、やめたほうがいいって!」
と、インクさんの声。
よく見ると、私の周りにも、ポツポツと同じ物がいくつもある。(あ〜あ、これが食べられるんだったらなあ・・・)と思いながら、やり過ごし、soneta・インク隊のところへ行くと、かなりボリュームのあるのが沢山生えていた。
毒と判断したのはsonetaさんであったらしいが、後で集合場所にてポケット図鑑を見ると、それはどうやら、「アケボノサクラシメジ」ではないか、ということになった。
柔らかくて形が崩れ原形をとどめていなかったが、かろうじて少し採っておいたものを、私が帰ってから味見をしてみることに。


(アケボノサクラシメジ)
◆アケボノサクラシメジ◆
サクラシメジに似ているが、ひときわ白っぽく、清潔感とまろやかさがある。ボリュームもあり、においがよく味はほろ苦い。笠は色白で中央はボカシをかけたような美しい肌色。柄も色白で根とが細まり、この部分が黄色身を帯びる特性がある。広葉樹林、特にブナ林に群生、あるいは列や輪を作って発生する。
<参考文献---家の光:「ポケットきのこ」-->
山渓:日本のキノコより

もう一回登って採りに行こうか、・・・という意見もあったが、他にも「ムキタケ」や「ブナハリタケ」などの収獲があったので見送りとなった。
そのムキタケだが、「なんも無かったねえ・・。」なんて言いながら谷を渡り道路に上がろうとして、その土手下に、山にして固めて捨てられていた枝木に生えていたのを、インクさんが見つけた。
そして、同じ場所で今度は、sonetaさんが「ナラタケ」を発見。

“灯台元暗し”と言うのは、こういう事を言うのだ。

それから、「ブナハリタケ」はmacさんが予言したとおり、尾根の上の方の反対側(?)で見つけたそうだ。さすがのキノコ目と勘の良さだ。上のほうには山道があったという。
ブナハリタケの天然物を見るのは、中学の時、父に連れられてキノコ採りに行ったとき以来で、感動した。(感動ついでに、お土産としてちゃっかり頂いた。)

私は、尾根から降りる途中、得意のミミゴケ(スギヒラタケ)を見つけた。雑木の枯れ枝に、ぽつんと2つ付いていただけなので、もしかしたらウスヒラタケかもしれないが・・・。
いずれにしても、帰宅翌日のキノコチャーハンの具になって、(前述のアケボノサクラシメジと共に、私の腹の中に美味しく納まった。

車に戻ったsoneta氏・インク氏・私の3人は、今度は道の反対側を覗いてみようと、足を向けた。支流沿いに50mばかり入ったところで、釣り好きの2人は、目ざとく小さな流れの緩い瀬で、アマゴの魚影を認める。
「この時期、必ず夫婦(つがい)になっているはず・・・」と、インクさんは言っていた。

その奥の山肌は、下草や低木などが生い茂り、藪が深く、少し入っただけであきらめる。ほどなく、「オーイ!」と呼ぶ声が聞こえたので、戻ろうとするが、そのやぶに足を取られて、なかなか出られないくらいだった。方向感覚的には南向きだったような気がする。

全員が山から無事に戻り、車の所に集合し、お昼を食べながら、どこの温泉で汗を流そうか、の相談タイム。
ところで、sonetaさんは、だいぶお疲れのご様子で、このOFF会の後、激しい腰痛に見舞われて、何日か寝込んでしまったらしい。
この夏の親不知の時といい、今回といい、やはり“軟弱虚弱系アウトドアマン”としての本領を如何なく発揮した。もっと普段から身体を鍛えとかなくちゃね、sonetaさん!。(なんて、自分のことは棚に上げ・・・)
かく言う私も、腰に爆弾を抱えている。過去、腰椎ヘルニアで2回も入院騒ぎを起こしたベテランだ。それが為に、最近すっかりスキーはご無沙汰。

身体を壊しては何にもならないので、仕事も遊びも、マイペースでいきましょう。と、既に悟りの境地を開いている。

ただ、山狩り(当地では、山で山菜を採ったり、キノコを採ったりすることをこう言う)に関して言えば、私の場合、子供の頃から裏山を駆けずり回って遊んでいたので、基本的に苦にならないところがあるのは確かだ。



ムキタケ


ナラタケ


ブナハリタケ(by mac3)


尾根の山道(by mac3)


スギヒラタケ


お疲れsoneta氏
(by mac3)








このあと、数河高原スキー場の温泉に向かい、そこで温泉に浸かった。露天風呂はちょっぴり味気ない感じだったが、汗を流し、さっぱりと疲れを癒した。

我々一行は、そこで又の再会を約束して、今回のOFF会を散会した。

<越後路に>
私は、来る時と同じく、nomo氏の車に乗せてもらい、41号を左折し越後路へと向かった。彼には、行きも帰りも同乗させてもらって、ありがたかった。
ガソリン代の代わりに、今度、鮭の燻製を差し上げたいので、奥様と喧嘩をしないように食べてくださいね。

車中、nomo氏は、ハンドルを握りながら、しきりにスキーOFFをやりたがっていた。彼はキノコも温泉もかなりの通なのだが、最も上位にあるのはスキーだという。今度の冬のシーズン券はどこのスキー場のを買おうか、なんて贅沢な悩みを口にしていた。
スキーOFF開催の時は、是非、彼に幹事をやっていただこう。

帰宅して早速、macさんから頂いたクリタケを味噌汁にしたり、翌日はブナハリタケたっぷりのキノコスパゲッティを作ったり、sonetaさんからもらった「ハナイグチ」の味噌汁を食べたりと、我が家の食卓には、しばらくこのOFF会の余韻が残った。
アケボノサクラシメジのチャーハンは、とても上品な香りと歯ざわりがした。


山の幸を頂くのは、その山の神様のお慈悲だ。自分で歩いてその幸をいただける事の、有り難さをかみしめる。



-- 完 --
<あとがき>

初めて参加したキノコOFF会は、私にとってかけがえの無い思い出となりました。
企画してくださったmac3さん・助手さんには、本当にお世話になり、ありがとうございました。又、同行のsonetaさん、インクさん、楽しいひと時をありがとう。
そして、初対面のやまてつさんの誠実な人柄は、私達OFF会仲間の雰囲気に、すぐに溶け込みましたよ。
みんな真面目に、純粋に遊ぼうとする仲間です。懲りずにこれからも、よろしくお付き合い下さい。

今回、都合で残念ながら参加できなかった一風さん、魚菜さん、次回は是非一緒に山歩きしたいですネ。

ご一緒した皆さんに、あらためて感謝の気持ちを表し、このOFF会紀行の結びといたします。


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