◆第2章 ゴムボート浸水式
2006
副題:原付ゴムボートを駆って、未開のポイントへ

越後、親不知・子不知  2006年8月4日(金)〜8月5日(土) ●  ヒスイの里・糸魚川

◆登場人物 (敬称略)
mac3、じょしゅ、nomo16、かやのんち、masaki、山アスパラ活二

遊び人mac3さんが、ついに原付ボムボートを購入。記念すべき進水式を、この親不知で行った。
なかなか快適な航行・・と思いきや、エアー漏れが発生。どんどん水が浸入し、危うく危機一髪。
撮影:じょしゅby手振れ補正(笑

先のモズクOFF会での別れ際に、macさんが言った"また来るから・・"と言うのは、来年また来るから、という意味かと思ったら、この夏にまた来るよ、という意味だったのだ。
大好きな岩牡蠣やサザエ捕りができなかったmacさんは、かなり不完全燃焼かつ消化不良な思いであったろう、と察するのは難くない。

7月下旬、趣味千山掲示板にて、macさんが原付ゴムボートを購入した事を発表した。ついてはその試運転つまり進水式を親不知で行いたいとの意向である。
私としては、そのような大切な記念すべき進水式の場所に、当地を選んでくれた事を光栄に思った。
日程については当初8月の19・20日を考えて進めたのだったが、そのジョイクラフト製のゴムボートが意外に早くmacさんの手元に入ったのと、19日までとても待ってられないという本人の希望で、8月の4・5日に決まった。
早速、先のオフ会で知り合った新人二人のうち、かやのんち氏がその友達を連れて参加すると表明。それから今度こそとnomo16氏も参加の意向。柿の種氏は仕事で来れないが・・・。

かくして、ゴムボート進水式には、またしても6名のメンバーが集まる事になった。

今年の長い梅雨も、さすがに7月の終わりに明けて、その後は晴天が続き、水温も一気にうなぎ昇り。しかし、この急激な水温の上昇が、プランクトンの繁殖を活発化させる結果となってしまった。
波もうねりも無い静かで穏やかな海は、普通なら透明度が上がってくるはずなのだが・・・。


8月4日(金)

この日も朝からドピーカンの良い天気。
昼間は会社の後輩と一緒にサザエ捕り、彼を見送って一休みした後、そのサザエの刺身を造ってクーラーに入れ、しばし一休み。
護岸工事の業者がいなくなって静かになった頃を見計らって、もう一回戦。今度はイガイ狙いだ。

かやのんちさんが仕事を終えて今晩合流する事になっている。今夜は彼と野外宴会なので、テントを張ってここで泊まるつもりでいる。
2年前の山菜オフにカヤノ平で張って以来のテント設営だ。そういえば海辺でキャンプ泊なんて、何十年ぶりだろう。子供の時以来じゃないか・・。

子供の頃、夏休みになると、親父の弟妹(6人いる叔父さん・叔母さん)が、それぞれ子供を連れて帰省してくる。そうすると忠右ヱ門の家は、総勢20人を楽に超える大家族となり、大賑わいしたものだ。
いとこ達と川遊びするのが一番の楽しみ。海谷から流れ出る「海川」は清冽で、カジカやウグイ、鮎、マスなどの魚がうようよいて、それを捕り遊びながら潜ることを覚えた。
当時の川は深い淵が幾場所もあって、深みの岩と岩の間のえぐれに、でかい魚が群をなして巣のようになっていたりして、実にスリリングな遊びをしていたものだ。そういう夏休みの間に、一回か二回は必ずみんなで海に繰り出すのだ。
いつもは日帰りだが、一度だけキャンプ泊をした事があった。能生の弁天岩の真ん前の山際にキャンプ場があったものだ。そこにテントを2張りしたかなあ。その時作って食べたカレーの味は、40年経った今でも私の舌の裏に残っている。

それ以来の海辺でキャンプ泊だから、楽しいに決まってるが、今宵は大人の宴会だ。目の前で捕ったばかりの海の幸を、酒の肴に提供しよう。私の得意技、「サザエの刺身」に「イガイの酒蒸しスペシャル」で、かやのんち氏のホッペタを落としてやろう、そう考えていた。


テントで横になって、うとうとして気が付くと、時計はもう5時を回っている。そういえば昨日から全然寝てなったからなあ。早速支度をして目的のポイントに向かった。
幸いな事に、工事は終わっていて、ガードマンもいないので、岸にほど近い所に車を止められた。

その岸から100mほど沖に浮かぶ、小さな岩が今日のポイントである。
昔からこの岩には何度となく遊びにいているが、イ貝がたくさん着いているので、短時間で捕れる。夕方のちょっとした時間の漁としては最適だ。


この場所は、3年前の第2回目の親不知OFFの時に入ったポイントでもある。ただその時私は、骨折入院の病み上がりの為、入水しなかったのだが・・・。

(撮影:7月8日)

夕方の海は、透明度は悪いのはちょっと残念だけれど、波が穏やかで静かだった。日差しも昼間とは違い、刺すような暑さはない。こんな時間に海に入れるというのは、やっぱり地元民の特権だなあ、なんて妙に自己満足したりなんかして・・・(笑)。


 前夜祭はご馳走だあ♪

20個ほどのイ貝を捕ってピアパークのキャンプ地に戻り、早速調理にとりかかる。

調理といっても、ごく簡単だからちょっと紹介しよう。
鍋に入れて酒をぶっかけて火をかけるだけ。当のイ貝は熱さでたまらず口を開けて酒で酔っぱらうのだ。
貝殻の中の塩水が出て、それも一緒に沸騰するので、すぐ吹きこぼれる。


充分に熱が通った頃合いに火を止めて、少し冷まして(軍手をして持てる程度)、小型ナイフで貝柱をそぎ切る。
真ん中に生えている毛を根本からハサミで切る。
これで中ごしらえOKだ。




とりあえず火を止めるところまでやって、近くにある親不知交流センターのお風呂をいただきにと支度をしていると、かやのんち氏からTELが入る。携帯の時計は18時45分を示していた。
見るとメールが何件か入っている。

「今、糸魚川に入ったんで、もうちょっとで着きます。」
「あ、もう着くの?早かったね。」
「さっきメール入れたんですけど・・。」
「ごめんごめん、今さっきまで潜ってたんだよ。晩飯のおかず捕りに・・。」
「わあ、そりゃあ楽しみだ。」
「今からちょっと風呂に行ってくるんで、いないけど、この間の場所に緑色のテント張ってあるから・・・。」

交流センターのお風呂で、海の塩と汗を流してキャンプに戻ると、既にかやのんちは到着していた。
嬉しかったのは、ビニールシートを敷いて真ん中に低いテーブルという、まるでお花見の宴会場みたいになっていた事だ。さすがは野外宴会の達人である。これで今宵はくつろぎながら、ぐっつり飲んで語って、明日への英気を養えるぞ♪
かやのんちさんに、友達のカメラ小僧Mさんは?と問うと、もう少し遅れて来るそうだ。やはり柿の種さんと同じくFキャンプ仲間なのだという。



イ貝の酒蒸しスペシャル・・レシピの続き
ニンニクとネギをみじん切り
 オリーブオイルで塩コショウ炒め、酒orワインで甘味を付け、火を落とす直前に
 醤油を一垂れ
上記の炒め物を、熱いうちにイ貝に詰める。
 盛り付けは、貝殻を一つずつお皿代わりにすれば、雰囲気抜群で
 出来上がり!

イ貝の酒蒸しスペシャルとサザエの刺身を肴にかやのんち氏と差しで乾杯・・♪ちょうどその時だった、macさんからTELが入った。

「今、富山まで来たから、もう1時間くらいでそっちに着くよ。」
「え?今日?もうこっちに向かってるの?」


その後、Masakiさんがデリカスペースワゴンに乗って登場した。

かやのんち氏よりも、また少し若いかなあ、という印象だ。彼らFDOCの参入によって、我々オフ会仲間の平均年齢がぐっと低くなった事は、喜ばしいことだ。
若い熱気を運んできてくれた事はもちろんだが、彼らはキャンプ大好きの達人だから、とても頼もしい。彼らのデリカからは、ドラえもんのポケットみたいに、いろいろな楽しい道具が次から次にと出てくるので、それを見ているだけでも楽しくなる。

そうこうしている間にmacさん&じょしゅコンビ、それから遅れてnomo16氏も到着し、皆が揃ったところであらためて乾杯とあいなった。
前夜祭からこんなに賑やかになるのがわかってたら、もっと沢山捕っておけばよかったなあ・・
前日収穫した、タモギタケも味噌汁にして振舞った。
ことに、きのこフリークのnomoちゃんは、美味しそうに食べてくれた。

また、捕れたての海の幸・山の幸に加えて、macさんが珍しいマツタケを持ってきてくれた。
これを見たMasakiさんが、車から七輪をすかさず出してくれたのにはビックリだ。さすが野外宴会通だけのことはあり嬉しいかぎり。



そんな楽しい宴会でワイワイやっていると、かやのんちさんに柿の種さんからTELが入った。
どうやら、ご馳走の匂いが新潟まで漂ったみたいだ(笑)。

「何やってんだ、早く来いよ。」
「明日仕事なんで、残念ですー(泣)。
「朝5時にこっちを出れば充分間に合うだろ?」
「そんな無茶苦茶な・・」

などと、みんなにからかわれていた。
かやのんちさん曰く、「こういうふうに言われたくて電話してきたんですよ。」
ハハア、なるほど・・。



昼間と夕方と、2回戦潜った疲れが一気に出て、アルコールが気持ちよく全身を巡り、いつ眠りこけたのか全く記憶にないまま、気が付くとテントで朝を迎えていたのだった。


8月5日(土)

  ◆進水式

天気は最高、海は穏やかで、絶好の進水式日よりとなった。
先ず海水浴場の一番端の人が少ない場所から進水するとして、mac3さんのハイエースを移動。
ゴムボートといっても、ただの“風船ボート”じゃないから結構筐体はでかい。
4人乗りだから、これくらいがっちりしてなきちゃね・・。
取扱説明書を見ながら慎重に組み立てる。
ただの風船ボートと違うのは、いわゆる船底が2重になっていて、そこにエアーを相当量入れる構造だという事だ。
車のシガーライターを電源に、高圧ポンプを動かしエアーが入ると、船体がグーッと持ち上がった。特に船頭の部分が勇ましく斜め上を向いた。
下を覗くと、生意気にも船らしい形の底(キールというらしい)が見えた。

後部に運転手が腰掛ける板みたいなのを取り付け、今一度エアーを入れると、ボート本体がかっちりとした。これにオールを取り付けて本体が完成。船外機は水に浮かばせた状態で取り付ける為、先ずは4人でボートを波打ち際まで運び船尾を着水。
おおー、浮かんだ・浮かんだ!(当たり前か・・笑)

続いて船外機を取り付ける。ホンダの2馬力エンジンでこれだと許可申請なしでOKなんだそうな。まわりで海水浴している人達が、好奇の視線を浴びせている。
先ずは試運転という事で、mac船長と私が乗り込み、オールを漕いで岸から50mほど離れたところでエンジンをかける。


ブルンブルンという軽い音をたててエンジンが始動した。意外に静かなエンジン音だ。アクセルを回すと、軽快に吹けあがり、同時にスルスルと船体が滑り出した。驚くほど速いわけではないが、見る見る岸が遠ざかる。人が早歩きするくらいのスピードかな、二人しか乗っていないせいか、天気が良いせいか、なかなか快適な乗り心地じゃないの、なんて話しながら岸に戻ったのだった。

するとさっきから近くで遊んでいた子供達が寄ってきて、好奇心に充ちあふれた手でボートを触りだした。
その子供達のお父さんらしき人も羨ましそうに声をかけてきた。
それ、いいですねえ。何馬力なんですか?
カメラマンをお父さんに頼んで、その子供達と一緒に記念撮影とあいなった。
前列に若いガキンチョ、後列に歳とったガキンチョの図である。
みんないい顔してるねえ♪


エアーを注入



船らしい形に

船外機の取付け






ワイワイ記念撮影

  ◆ いざ出航

ボートは4人乗りという事で全員は乗れないので、先ずは先見隊として、かやのんち氏と私がmac船長と共に、現場へ向かう事になった。
目的地は天険手前の展望台下のポイントだ。

初めて海上から眺める親不知の景色に、私は一人(個人的に)感無量の思いを噛みしめていた。若い時から親不知の海は慣れ親しんできたが、いつも絶壁の上や、波打ち際から眺める景色でしかなく、せいぜい100m沖合の小岩に立って見る程度だったので、ピアパークの東の“落ちり水”の断崖から、西の“天険”まで見渡すこの風景は、感動ものだった。

港の堤防で釣りを楽しんでいる人達が大勢いる。それを沖合から見やりながら、ゆっくりと西へ進み、やがて親不知の核心部へと近づいてゆく。25分くらいかかっただろうか・・陸(おか)の喧噪と遮断された、非現実的な空間が、まるで時間が止まっているかのような錯覚に陥らせる、そんなひとときだった。

展望台下でボートを降りて風波川まで少し歩き、風波岩を真正面に見るところから入水。mac船長は残りの隊員を迎えに戻った。
あいにく風波岩の近くに、地元とおぼしき小舟が一艘浮かんでいる。見ると、一人は船上に、もう一人は盛んに潜っては浮き・潜っては浮きを繰り返している。
この場所はやめた方が良さそうだな、と私は躊躇したが、かやのんち隊員はさっさと水に入り、どんどん岩に向かっていく。
それどころか、船のすぐ近くまで寄っていくではないか。おまけに何事か言葉を交わしているようにも見える。

(後から聞いた話では)
「何を捕りに来たんじゃ。」
「石を拾いに来ました。」
「ここは石なんか無いゾ、貝を捕るところだ。」

などと言われて睨まれたそうだ。
もっとも彼の場合は、浮き輪も網も持たない身軽なので、遊びの海水浴らしい格好である。









私は西側から大まわりに岩に近づいて、彼からその事を聞いて、別の場所に移動しようと、すぐ岸に戻る決断をした。元々ここは、差し網が張られている漁場だから、素人が潜ってはいけない場所だから仕方ない。
もう少し西の、天険との中間辺りの砂利浜がある所を教えて、私だけさっきの上陸ポイントに戻った。そろそろ後発の本隊がこちらに向かっている頃だ。


しばらく日陰で休んでいると、遠くから白いそれらしきものが近づいてくる。次第にその白い物体は大きくなり、はっきりと確認出来るようになった。


ようやく近寄ってきたmac船長に、場所の変更を伝える。
潜りポイントが、いくつも(というか、どこにでも)あるというのが、岩場の海岸線が長い親不知の楽しいところだ。
接岸するには、砂浜もしくは砂利浜がよいので、ホテル手前の浜なら最適でもある。また、その場所は、歩いて浜伝いにはこれない所なので、我々だけのプライベートビーチになり得るのだ。


その岸から70mくらい沖合いの場所で、かやのんち氏とマサキ氏にモゾク採りの実演をして見せるが、透明度が悪く底まで見えないので今イチ。そもそもモゾクは既にシーズンが過ぎ、枯れて色が薄くなっていた。
彼ら曰く、私の潜り深度は5mを超えているそうだが、そんなにあるかなあ・・濁っているから余計に深く見えるのだろう。


浜で一休みした後、せっかくボートがあるんだからと、ホテル下の断崖辺りまで行ってみようという事になった。
そこは私にとっても未開のポイントだ。何故なら、全く浜というものが無く、波が直接断崖の絶壁にぶち当たっている所なのだ。近づくには、腰まで水に浸かり、はたまた泳いで行くしかない。
昔の人はよくこんな所を行き来したものだ。

親知らず、子はこの浦の波枕
     越路の磯の泡と消えゆく

と詠われた難所である。今は海岸線の浸食で、歩いて通りきる事は不可能だ。

その絶壁の下の岸からそう遠くない所にいくつかの岩礁があるようだ、というのはホテル裏の遊歩道から直下を眺め見て知ってはいた。
岩牡蠣などの貝類がどの程度生息しているのか、全くわからない、その(私にとって)未開のポイントに、いよいよ近づくチャンスがついに訪れたのだ。
濁ってはいるが、波は穏やかなので、岩場に近づいた時、座礁の危険が少ない。
4人乗りボートの為その場所へはmac船長、じょしゅさん、nomoちゃん、そして水先案内人の私という、少数精鋭(?)部隊が向かう。

先のモズクOFFで潜ったポイントを過ぎると、100mの高さの絶壁が真正面に見える。

そうしてゆっくりと水面を這うように進みながら、浅い岩礁がないか、目を皿のようにして、海面を探す。
nomo氏は、ここぞとばかりにシャッターを切る。彼は最近サーフィンを始めたそうで、行動範囲が雪山から水辺に降りてきている。今回、防水型のオリンパスμを持ち込んで、水中写真を撮るんだと張り切っている。

しばらくすると、岸から20mも離れていない所で、不自然に白波が立っては消えしていた。浅い岩礁だ。この辺りの海底がどのくらい深いのか、どういった地形をしているのか、濁りがあって全くわからないが、少なくとも岩場がある事は判断できる。

先ずは偵察にと、私は水中メガネを押さえながら、身体をまるめ頭から海に滑り降りた。
その岩は、さほど大きくはないが、浅いところは背が立つどころか、腰の高さほどだった。
岩の頭はツルンとしていて何も無いが、少し潜ってみると、横の面に岩牡蠣がビッシリ着いていた。また、小ぶりだがイ貝も結構着いている。

それを報告に、また牡蠣を剥がすために道具も必要なので、いったんボートに戻る。



(絶壁)




(もう少し西に進もう)





(小さな浜があった)



(左前方に浅い岩礁)



牡蠣が着いてるヨ!)

私の報告を聞いて、nomoちゃんとじょしゅさんも続いた。

ここにイ貝が着いてるよ

やったー!ゲット♪

こんな大きな岩牡蠣

みんなで食べるには充分
さすがに、漁師さん意外には誰も来れないような場所なので、岩牡蠣はほとんど捕られた後が無く、大型の物が多かった。岸に近いせいか、イ貝はまだ新しく若い小ぶりのものが多いが、キャンプに帰ってみんなで食べる分だけ捕って、充分遊んで、そろそろ帰ることにした。
これでもっと透明度が高ければ、楽園か天国みたいなところだ。

macさんは、ボートから降りずに少しその辺を探検したようで、少し沖に離れたところで新たな岩礁があったと言っていた。

トラブル発生・・エアーが漏れてるぞ!







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